選手団を送り出した日本は灼熱地獄に焼かれビーチに波はありません。波に乗れないとどうなるか。北京オリンピックの日本チーム開幕ダッシュがどうやら不発になりそうです。
波がないとサーファーはからっきし役に立ちません。サーフィンできなくなるからです。大げさですが陸に上がったカッパ。心ここにあらず。それが長い間続くと身体と気持ちに芯が通らず、ピシッとしてなくなるか興奮しやすくなります。普通じゃなくなる訳です。四方を海に取り囲まれている島国日本は一日のうちでどこかしらで波乗りは出来るんですが、このところの気象状況はほんの水浴び程度で身体をぬらすだけという、滑って気持ちいいサーフィンにならないという危機的デッドフラット状態に突入中です。全国に張り巡らされサーファーズネットワークからは、暑いねー、波ないねーと、今年の夏の波不足、台風不足、サーフィン不足を心配する声ばかりが聞こえてきます。
地形や風向き、ヒットパターンなど波情報を詳しく分析しても、衛星画像を毎日チェックしても、残念ながらデッドフラットはまだまだ続きそうです。こうなるとサーファーはやることがなくなります。サーフィンできないので時間はたっぷりとあるので、仕事や手伝いはとっくに済ませてしまってます。毎日のルーティンのなかでサーフィンを楽しめないのが心残りになるのです。それが毎日続くとなると深刻。ビギナーやベテランを問わずサーフィンウェット度の高い人から先に切れていきます。波に魅せられたサーファーの性なんでしょう。いけないと解っていてもやってしまうことだってあります。いちどサーフィンすればすっかり洗い流せるんですけどね。
フラットコンディションで元気がいいのはビギナーやキッズ達でした。力のない優しい波が相手ですからサーフィンの楽しさを満喫できてます。ショップ主催や個人レッスンを含めたサーフィンスクールはどこも大盛況。日頃では見れない水着のお嬢さん達がプロコーチの指導でスクールボードと格闘しながらパドリング練習を繰り返しています。その隣ではパパにボードを押してもらって真剣な表情でテイクオフをメイクしたキッズが満面の笑顔です。波が小さかったおかげでサーフィンの楽しさに触れることが出来た彼らも、やがて沖のビッグウェイブにパドルアウトしていくことでしょう。そうやって永遠に続くサーフィンの楽しさを知っていくんです。
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